Silent Tone Recordのブログ

2012年10月よりクラシック・レコードの通信販売専門店として開業したSilent Tone Recordのブログです。大学で西洋クラシック音楽をはじめアジアの民族音楽を学んだ店主がクラシック音楽を中心に、音楽、食、旅、日々の出来事を綴っていきます。

2012年11月

先週はインド音楽と秋田民謡のライブ、友人の落語、茅場町の素敵な本屋、代官山の美容院とよく出かけた1週間でした。
音楽も落語もライブで聴いてこそ素晴らしさが分かるという事を改めて感じました。
しかしその一方で、本やレコードなど記録し時間・場所を超えて共有するという事もまた貴重です。
最近クラシックもジャズも民族音楽もテクノもファンクもソウルも、絵画も映画も建築にも触れる機会が減ってしまい、決して良いとは思っていなかったのですが、やはりそれでは駄目だと再確認した次第です。
先月からHPを立ち上げクラシックのレコードを販売している訳ですが、クラシック以外の音楽、また音楽以外の事にも関わりたいと思っています。

そんな訳で今週の新着レコードはPHILIPS(フィリップス)レーベルのLP20枚ちょっとになります。
最近CDRばかり製作していたので、久しぶりのレコードになります。
珍しいものはそれ程多くはないのですが、その中で4枚ご紹介します。

A00299L
ナップ・デ・クライン(1909〜79)、ベルンハルト・パウムガルトナー指揮ウィーンso.による協奏交響曲他、モーツァルト・ジュビリー・エディションの中の1枚として発売されたもの。他にヴァイオリン・ソナタやネーデルランド(オランダ)四重奏団として室内楽も録音しています。

A00691R
そして、こちらはクラインとその奥方アリス・ヘクシュ(1912〜57)とのモーツァルト:ヴァイオリン・ソナタK.306/481、こちらもモーツァルト・ジュビリー・エディション。PHILIPSにはアルテュール・グリュミオーとクララ・ハスキルの名演もありますが、この2人の演奏も忘れてはならない名演です。

L00381L
ジャクリーヌ・エマールとレーヴェングーによるフランク:ピアノ五重奏と前奏曲・コラールとフーガ。アルフレード・レーヴェングート率いる弦楽四重奏団とジョルジュ・ミゴー作曲のピアノ作品ゾディアックの演奏でも有名なジャクリーヌ・エマールによる演奏。今回ご紹介したレコードはレーベルが白と赤地にTRESORS CLASSIQESと書かれものですが、赤地に銀文字でMINIGROOVEと書かれた物もあり、そちらの方が先に出たものと思われます。

A02236L
最後にアルテュール・グリュミオーとイシュトヴァン・ハイデュによるヴァイオリン・ソナタ集。グリュミオーと言えばハスキルとのコンビが有名ですが、ハイデュとの録音もありラヴェル、ドビュッそー、フォーレなどの素晴らしい演奏を残しています。このフランクもなかなか素敵な演奏です。

次回の新着レコードはETERNAレーベルをご紹介出来ると思います。
今週も良い一週間になりますように。

今朝は各地で今年一番の冷え込みだそうです。
さすがに寒いです、寒くなると夏が恋しくなり、暑くなると冬を欲する。
何十年経っても変わりません。

今週も先週に引き続きCDR製作な1週間になりそうです。
録音・編集作業は時間がかかりそれなりに大変なのですが、一番大変なのが状態の良いジャケット探しです。
殆ど現物は持っているのですが、中には手放してジャケットだけコピーしたものがありそれを探すのが思いの外大変です。

img430
今週も珍しいものばかりです。
まずはリリー・クラウスとヴィリー・ボスコフスキーによるベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ全曲
クラウス/ボスコフスキーと言えば1950年代半ばに録音されたモーツァルト:ヴァイオリン・ソナタが有名なのですが、敢えて先にベートーヴェンを作りました。正直モーツァルトの演奏には敵わない、ベートーヴェンなら他にもグリュミオー/ハスキルやロスタル/オズボーン等の方が好きです。そうは言っても聴いて損はない演奏、LPは2枚組が2セットになるのでCDRも2枚組が2セットにしました。

320C112-3
2枚目(実際は5枚目ですが)、これまた珍しいジェルメーヌ・ティッサン=ヴァランタンによるフォーレ:夜想曲(全13曲)。フォーレのピアノ曲というとドリーくらいしか聴いた事がなかったのですが、初めてこの演奏を聴いた時には驚きました、作品の美しさもさる事ながら演奏の素晴らしさに。
Ducretet Thomsonにはヴァランタンの録音がたくさんあるのですが、後年300C 095-6というレコード番号(フォーレ作品集VOL.1・2)でも出るのですが、この録音と今回制作したCDRと同音源かが分かりません(近日中に確認します)。そして仏Charlin(SLC 42-3)にもステレオ録音があります。どれも甲乙つけ難い演奏ですが、音の存在感という点では、モノラルという事もあり初回録音に分があります。多少のノイズはありますがお薦めです、2枚組になります。

300C022 2
3作目は先ほどのジェルメーヌ・ティッサン=ヴァランタンによるフォーレ:舟歌(13曲)。これまたあまり聴かない作品だとは思うのですが、目から鱗の名演です。古い録音では現代の感覚からすると、少しやり過ぎではと思うような歌いまわしを聴く事もあるのですが、ヴァランタンの演奏には何と言うか品があるのです。
この録音は後にフォーレ作品集VOL.3で発売されますが、やはり音は今回制作した石造レーベルの音に比べると随分落ちる様に思います。

LD3437-8
もう満腹だとは思うのですが4作目、ポール・マカノヴィツキー、ノエル・リーによるバッハ:ヴァイオリンソナタ。LP録音のバッハ:ヴァイオリンソナタの中で最高の演奏の1つ、もしかするとone of the bestではなくThe Bestかも知れない演奏。バッハの演奏には音色よりも対位法の線がよく見える事に重きを置く方は多いと思いますが、これはそんな事も忘れさせる程の演奏。最初の1音から最後の1音まで美しい音色の連続で初めて聴いた時は戸惑うのでは。しかし聴く程にこの美しい音色が染み込む感覚はなかなか味わえないだろうと。単純に飲みたいだけなのですがスモーキーなアイラ・ウィスキーが染み込む様な感覚。この美音に酔って頂きたい。こちらも2枚組。赤と緑のジャケットに入っているのですが、それが箱に入っているものもあり、今回ジャケットは箱のデザインを採用しました。

FALP577-8
5作目。そろそろデザートと言いたいところですが一番重いものが最後になりました、カール・シューリヒト指揮パリ音楽院管弦楽団によるベートーヴェン:5番「運命」、9番「合唱」。パリ音楽院と言えばやはりミュンシュとクリュイタンスを思い浮かべると思いますが、ここではシューリヒトが振る。悪い訳がなく勿論とても良い、この時代にこの颯爽としたテンポ、鋭いリズムからくる一音一音の勢い、ほぼ同時代のフルトヴェングラーとの違いに驚くはず。フルトヴェングラーの第9も素晴らしい演奏だとは思いますが、シューリヒトの方が今の私には共感できます。現代的というか洗練されているというか、とにかく好きなのです。第9も良いけど5番「運命」も良い、管弦楽曲で重い感じはしますがシューリヒトの颯爽とした演奏は意外にもデザートになりえるかも知れません。これも2枚組。シューリヒトは全曲録音しているので今後全曲CDR制作します。

録音機材を紹介するのを忘れておりました。
プレヤーはLINN:LP12、カートリッジはMIYABI、トランスはPARTRIDGE:、アンプはフォノイコ内蔵のHANDMADE品、オーディオインターフェイスはDigidesign:Digi 003・Apogee:Duet 1/2・Alesis:IO26、録音ソフトはAVID:Pro Tools、APPLE(EMAGIC):LOGIC、パソコンはAPPLE:G3、G5、Mac Book Pro。
その時々で使用機材に違いはありますが、大まかにこんな感じです。
それでは、寒さに負けず今日も良い一日になりますように!

Silent Tone Record


Silent Tone Recordクラシック・レコードの通信販売を初めて2ヶ月。
新着レコードのリスト作りと平行して、録り貯めた音源を作曲家・演奏家・レコード会社の著作隣接権の保護期間の切れたものから編集しているのですが、これが結構大変な作業です。
基本的には1枚のLPから1枚のCDRを制作する訳ですが、傷があったり盤のコンディションが悪い時には、複数のLPから良い状態の場所を持って来なければならない訳なのです。
1枚しかなければそれを使うほかないのですが、下手に2・3枚録り貯めてあったりすると1枚制作するのにかなりの時間が必要になります。
マスタリング作業自体はノイズカット等は極力しないのでそれ程時間がかからないのですが。
マスタリングの技術をきちんと習得すればもっと良い物が作れるのでは?という思いと、
これ以上時間がかかると人生があっという間に過ぎて行ってしまう恐怖で踏み込めてないでいる訳です。

そんなこんなで、3枚の自主制作CDR作りました。

ALP1104
1枚目ブラームス:Vn協奏曲/G.デ・ヴィート(Vn)R.シュヴァルツ指揮フィルハーモニアO. /録音源 ALP 1104
最近デ・ヴィートを3枚続けて出したのでもう1枚!盤の状態はなかなか良いのだけど、良い状態のジャケットのコピーが見つからず仕方なくこれを使用しました。
演奏はよく言えばゆったりした演奏、個人的にはもう少し軽快な方が嬉しいけど、デ・ヴィートらしいのかも知れません。

DLP1190
2枚目はチャイコフスキー:Vn協奏曲/イダ・ヘンデル(vn)ユージングーセンス指揮ロイヤルpo./録音源 DLP 1190
これは3枚分の録音があったのでなかなか良く出来たのはないかと思います。ジャケも状態の良い物があったので満足です。
演奏はI.ヘンデルの録音の中でも相当良い演奏だと思います。女流でいうとオークレール、マルツィより好きかも知れません。ブラームスもジャケのコピーが見つかり次第アップします。

LPG8003
3枚目はベートーヴェン:Vcソナタ2・3番/モーリス・ジャンドロン(Vc)ジャン・フランセ(Pf)/録音源 LPG 8003
ヴァイオリンとピアノしかなかったので、室内楽を探していたら適盤を発見!
久しぶりに聴いたのですが良い演奏です、PHILIPS時代も悪くはないのですが、DucretetやDECCAに残した初期のジャンドロンの録音には惹かれてしまいます。
もちろんピアノのフランセの力も大きいと思います、ジャケは他のバージョンもありますがこちらを採用しました。

今週はずっとCDR製作をしたので次回はLPと言いたい所ですが、既にDFのL.Kraus(pf)W.Boskovsky(vn)のベートーヴェンを製作しています。ご期待下さい。

Silent Tone Record



2ヶ月程前からSilent Tone Recordというクラシック・レコードの通信販売専門店を始めたのですが、 より多くの方に知ってもらう為に一念発起し、こうして初めてのブログを書いています。

インターネットが世界中を繋ぎ、音楽をはじめ多くのものがデータとして行き交う時代に、
約30cmのビニールで出来た円盤に針を落としアンプで増幅させ、
ケーブルやスピーカーなどにもこだわって音楽を聴くのか不思議に思う人が多いと思います。
趣味の世界だからと言ってしまえばそれまでなのですが、そこにはやはり何かしらの魅力がある訳です。
その魅力を少しでも知って頂けたらと思います、しかし啓蒙しようなんざちっとも思っておりませんのでご安心下さい。

それでもって音楽だけではなく、お酒やコーヒーや旅や猫や本などついても書いてしまおうと思っております。

Silent Tone Record

このページのトップヘ